ながせデンタルクリニックのコラム

2022.11.16

多くの患者様、歯科衛生士、歯科医師まで勘違い

本記事は、ちょっと過激です。

ご気分を害される可能性がある方はご退出くださいませ。

 

皆々様。勘違い。

何を勘違いしているか。

研磨剤です。

思考を鍛えることに、これからの教育界も変化していってほしいなと思う。

今の子供が大人になるころには日本人がもっと思考力をつけていてほしい。

と半分炎上しそうな書き出しなわけですが。

 

日本語のクイズです。

1:歯磨き粉に研磨剤が含有されている。

2:歯を沢山磨きすぎた。(多くこすりすぎた)

3:歯磨き粉をつけすぎた。

4:歯磨き時に力を入れてこすりすぎた。

5:歯磨き粉の量を減らして歯磨きをした。

6:歯ブラシの硬さが硬すぎるんです。

 

さて1~6まで意味は同じ内容を話しているでしょうか?

全く意味合いが異なりますよね。

アタリマエですよね。

違うに決まってますよね。

あなたの周りに1~6までを全てひっくるめて、

「磨きすぎ」って表現される方いらっしゃいませんか?

 

この文章を読んで多くの歯科医師や歯科衛生士は「!?」となるでしょう。

 

しかしですね。

物事を正確に聞き理解し、実践しようとする人は稀なんですよ。

 

私「歯が削れているますね。歯磨き粉を使わないようにしましょう。」

次回の治療の時の患者さん「先生に前回言われたから歯磨き粉ちょっとだけつけてますねん。

減らしました!」

私は上記の1のつもりで、

「使わないで」

「減らしました」(上記の3)

 

タバコは厳禁です!と言われ、一日20本のところを10本に減らしましてん。

と返答しているのと同義ですよね。

 

では、話題を変えましょう。

あなたの目の前にテーブルがあります。

左手にはフキン。を持つ。右手には紙やすり。を持ちましょう。

その左右の両方の手でテーブルをこすってみてくださいよ。

えっ?そんなことしたくない?

じゃ、頭の中で何が起こるか想像してみてください。

 

はい。では先ず軽ーく左右両方の手でテーブルの天板をこすってみてください

前後に20回くらいでいいです。

フキンを持った左手。紙やすりを持った右手。

はい!スタート!

左は傷は付くでしょうか右手の下はは傷は付くでしょうか。

 

さて次に「力を入れてさらに擦ってみてください。」

左は傷はつくでしょうか?右はより傷つくのでは?

では、次に沢山擦ってみてください。

左はそう簡単に傷は付かないでしょう。右はどんどん傷だらけ。

 

左と右では全く違う結果になりませんか?

 

なのに、「あなたの歯は削れているので歯磨き粉の使用をやめましょう」

患者様「磨きすぎやて言われました。」

「力入れすぎやて言われました。」

「歯ブラシ硬すぎやていわれました。」

 

これは実は多くの歯科医師や歯科衛生士が日常で遭遇する光景なんですね。

 

時代なのでしょうかね。インターネットで色々ともの言う歯科医師や歯科衛生士がいます。

自分の意見を主張したいがために、支離滅裂な説明をしている歯科医師もいます。

もっともらしく見せかけて。

 

 

で、この先は患者様はご退出くださいませ(笑)

もし歯科医師、歯科衛生士の方がいらっしゃったら最後までお付き合いください。

 

NCCL:Non-carious cervical lesions

大前提として。

歯頚部の楔状欠損

ブラッシングによって「歯茎を傷つけるもの」

この2つは別物ですからね。

分けて考えてください。

 

NCCLの発生に対して患者様に説明する場合、

根拠のない説明や間違えた説明をする歯科医師や歯科衛生士が後を絶ちません。

NCCLはブラキシズムが原因だ!とか根拠のない説明をするプロがいます。

 

咬合が強すぎることによって生ずる神経組織の知覚が亢進してしまう(疼痛閾値が下がる)

ことは実際臨床で目にします。

ブラキシズム→NCCL→知覚の亢進ではなく。

1:ブラキシズム→知覚の亢進

2:NCCL→知覚の亢進

のこの2つは成立したとしても。

3:ブラキシズム→NCCLの図式だけが成立し得ない。

咬合が強すぎることから起こりえるのは、

上顎では頬側歯頚部に主に力がかかり。

下顎では舌側歯頚部にも負担がかかることははっきりとしています。

力学的な解析でマイクロクラックを発生させ得る力は上では外、下では内に働くからです。

(アブフラクションという言葉は教科書から削除すべきだという考え方で

世界的にコンセンサスが得られつつあります)

ブラキシズムがNCCLを発生させ得るのであれば、

本来下顎では舌側にNCCLが発生しないと理屈が合わないんです。

 

でもこの3の図式は歯科医師や歯科衛生士の中で都市伝説的に語られたり。

上司にそう教わったり。思い込んでそれが既成事実になったり。

元は1984年にLeeとEakleが歯頸部の欠損にに対して咬合が起因するのではという仮説なのです。

「これはあくまで仮説です!」

仮説が語られているうちに既成事実のようになり。

先輩からそう教わり。

さも正しいかのような言説になりつつある。

 

また古代の狩猟民族の人骨からNCCLが発見されているのでしょうか。

人類学者はどう述べているのでしょうか。

歯磨きが存在しなかった時代の人骨から咬合面の摩耗はみられたものの、

NCCLは発見されないと人類学者が言っているのは完全に無視ですか?

調べてみてください。

 

NCCLは何故7番よりも456に多いのか。

山形の某先生が詳細に解説されています。

咬合の負荷は垂直方向には7番がより受けるはずです。

7番のみに今度は水平的な力として咬合干渉が存在した場合、7のみにNCCLが発生し、

56番はいたってきれいなもの!!ってなりません?

ところで皆さんは7番のみに発生したNCCLを見たことがおありでしょうか?

下顎の舌側のみに発生したNCCLを見たことがあるでしょうか?(たまにありますね)

 

みなさん日曜大工をしてみましょう。

馬蹄形になった木片の表面をサンドペーパー紙やすりでみがいてみましょう。

どこが磨耗量が多くなるのかご存知でしょうか。

肩の部分つまり歯でいうところの4番くらいに位置する部分が一番多く削れます。

 

ちなみにブラキシズムが多い人ほどNCCLが多いことについて見られ、

それが正しいと言えそうな研究論文はありません。

 

さて皆さん。もう一度思い出してみましょう。

ブラキシズムがNCCLの原因になる。

若い時です。思い出してください。

どこの誰に教わり、習いましたか?

 

幸い思い出すことができたそこのあなた。

NCCLが何故頬側に起きるのか、その根拠を問うてみてください。

もう一回理由もつけて教えてもらってくださいね。

 

NCCLに関しては、

咬合力の問題以上に酸性食品の摂取、または研磨剤と歯磨き行為に起因すると

考えるのが妥当な線ではないでしょうかね。

RDA値が150だから大丈夫?

じゃ何故我々は日常臨床でこれだけ多くのNCCLに遭遇するのでしょうか?

RDA値が150だから大丈夫と言った人は、

エビデンスとして、

このくらいの中研磨の研磨剤で、こする強さ、回数、歯ブラシ硬さを変えて

35,000ストローク、65,000ストロークと擦った時の磨耗量のデータを見たのでしょうか。

 

JULY 01, 2008  In vitro reproduction of noncarious cervical lesions John J. Dzakovich

より引用

 

ライ〇ン歯材研究所にはかつて中嶋先生が存在したのです。

とても私は尊敬する学者さんの一人です。

ライオ〇のおかかえの歯科衛生士に院内セミナーをしてもらったんです。

その方に意見を乞いました。

何故NCCLは下顎では舌側におきないのか?

意地悪なんですがやはり答えてもらえません。

会社としてではなく、個人的にどう思うか。

 

ライ〇ンの公式見解ではありませんが、と前置きをしたうえで彼女はこう言います。

「「私は山形の黒江先生の言っていることが、セミナーを受けて聞いてはみましたが全く理解ができません。

SJC〇の○○先生だって、バイトがNCCLの原因になるって言っていたんですよ!」」

残念ながらこれは実話です。

 

ハロー効果でしょうか(笑)

もうこれでは思考停止。認知バイアスです。議論の対象にもなりません。

つまり〇ッ素反対派と話すようなもので、何の情報を聞いても脳は受け付けません。

 

現在は、ライオンには中嶋先生のような素晴らしい研究開発者によって教育されるような

環境がもうなくなっているのでしょうか。

勘ぐりたくなりますが。。

よく勉強されていて素晴らしい歯科衛生士さんだとは思いますよ。

 

皆さん。本当に近いところを追求したくないですか?

ブラックステインが実は茶渋等の食物由来の色素ではなく、

とある菌が産生した色素だった!なんてね(笑)

ステインが全て茶渋やたばこ等の色素って誰に聞きましたか?

 

最近歯科医師のYoutuberなるものも存在し、

「「歯磨き粉の研磨剤の真実。。」」

みたいなタイトルの動画をみたんですね。

興味がある方は検索してみてください。

 

歯が削れて困るのがエナメル質ではなく象牙質ですよね。

エナメル質が歯頚部で磨耗しているような現象はあまり見かけません。

もちろん歯頚部のエナメル質は歯冠中央部や切端部に比べて厚みが薄く、

ごくまれに磨耗したりエナメル質が欠落しているような場面に遭遇することは多々あります。

一方でNCCLに関しては、ほぼ毎日見ますよね。

動画で歯が削れるのは、歯磨き粉の研磨剤よりも、

ブラッシング圧や歯ブラシの硬さだと言っているのですね。

論文の原本を読んでいないか、読んで意味が解っていないか。

ひょっとしたら、この論文がエナメル質であるということを理解していないのか。

また五十年前の論文をひっぱってきたり。

説明内容の結論も方法論も支離滅裂で驚きました。

 

NCCLの咬合起因説に関する研究論文も読みました。

研究の方法論的に優れたものではなく明確はエビデンスとは言えません。

今後のさらなる研究は必要です。

しかし、現状得られているエビデンスや経験則から

しっかりと吟味して。

現状より本当に近いところを追求するべきではないでしょうか。

この記事が多くの歯科医師は歯科衛生士の気づきになってくれることを祈ります。


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