ながせデンタルクリニックのコラム

2021.10.12

セラミックといっても色々とあります。

※以下の文言は患者さんにとっては非常にマニアックな記事となっております。

ご興味のない方はこの時点でこのページから退出することをおすすめします。

(ある特定の患者様に向けて記載をしております。)

 

多くの患者さんが、セラミックと考えた時に一律に同じものとして考えてしまいがちです。

実はセラミックといっても、「被せ物」(クラウン)と「詰め物」で全然強度や性質が異なります。

 

昔のセラミックは、瀬戸物やガラスのような性質で強度は高いのですが脆くてかけてしまうことが多かったのですね。

それが唯一無二の欠点といっても過言ではありません。

元の性質がガラスと同成分になりますから、硬くて脆いという性質が存在するのです。

 

しかし、研究開発が進むにつれ、アルミナスセラミックというものが開発されたりします。

セラミックにアルミナを含有させることにより、より割れにくく性質を変えたものです。

 

柔軟性のあるガラスなんて作れないものか?と思いません?

ここで開発されたのがハイブリッドセラミックスという新材料です。

歯科業界では大いに期待された材料で世界的に各メーカーが開発競争をした時代が過去にありました。

元々、割れに対する耐久性を示す数値(三点曲げ試験)に置いて、

元のセラミックが100Mpaとすると、それを200Mpa等強度が上がったのも事実であります。

 

それでも200Mpaしかない強度のものでは割れるんです。

 

大学病院時代に、ここにグラスファイバーを組み込んで割れにくくするという試験段階の材料が届きました。

若かった私はとっても興味津々。

歯科技工士に頼らず自らハイブリッドセラミックスにグラスファイバーを組み込んで製作し、

グラスファイバーが入っているのですよ!て威張りながら(笑)

患者さんのお口の中に装着するわけです。

正確な数値は忘れましたが、従来のハイブリッドセラミックスより強度は高かったはずです。

 

しかし、歯ぎしりの強い患者さん。割れるんです。

悔しくなって、もう一度一生懸命作って、新しいファイバー入りのハイブリッドセラミックスを入れたわけです。

結果、再度割れるわけです。

治療をしているこちら側も悔しいし。悲しいし。

 

一方でプレス型のセラミックなんてのも存在したわけです。

一平方センチに約2トンの加圧をして強度を高めたセラミックです。

エンプレスと呼ばれる商品名でした。

ワタシの記憶が確かならば、曲げ強度として350~400Mpaはでていたはずです。

実はこの強度で多くのケースでは割れずに経過するものがほとんどですが、

ケースによっては割れることがあるんです!

 

ワタシの概ねの雑感ですが、過去に開発されたもののうち、600Mpaを超えてきた材料に関しては、

実際の使用上でトラブルが少ないと思います。

600くらいのものは、プロセラという商品名で一時は有名でした。

ワタシ自身も多くの症例で使用してきましたが、過去に割れた等のトラブルはほぼ聞きません。

 

そんな時にドイツから新材料が入ってきたんです。

歯科業界に公式にはアナウンスもされていませんが、大学病院の専門の診療科なので、

事前に紹介されたんです。

 

それがジルコニアセラミックスです。

強度は900Mpa~1,000Mpaに到達するシロモノです。

お口の中でしばらく使い続けても約900位の強度は維持しつづけるようなものです。

ワタシが26歳のときです。

ホワイトメタルなんて呼ばれたのです。白い金属?

ワタシの中で興奮は頂点に達しました!

何じゃこれは!!!すごいのが出来たと脳天を撃ち抜かれたような衝撃が走ったのです。

もう高ぶる感情を抑えきれません。

 

メーカーに直接かけあって。教授や大学病院には内緒です(笑)

何としてもこの材料が欲しい。営業マンに裏で材料を提供してもらう手筈を整えたのです(笑)

もちろん厚生労働省からまだ認可された材料ではありません。

しかし、日本にはドイツからそれを製作する機械が一台だけ上陸していたのです(笑)

 

信頼のおける先輩に相談し。今現在、前歯でセラミックを入れようとしている患者さんを私に見させてください!

どうしてもあのジルコニアセラミックを患者さんにやってみたいのです。

 

もう時効だからすべてを話しますね。

患者さんに技工士さんに払う制作料だけをいただく話をして。

いただいた制作料は技工士さんに支払って。

いざそのジルコニアセラミックをつかった治療をしてしまったのです。

 

後にその患者さんが、大学病院の別の階にある歯周病科かなにかに検診にいったのです。

(私はその患者さんが、その検診があるとは思っていなかった。若い人だし。。(;’∀’))

 

そこでなんじゃこりゃ~!見たこともないクラウンが入っている。

なんか得体のしれないセラミックだ!ただとてもきれいに入っている。

これは何だと騒ぎになったのです。

すぐに調査されました。(バレました)

未認可の材料を(現在では無事認可されています)使われているのに、カルテには記載がない。

病院自体に治療費を入金された痕跡がない。

 

真っ先に疑いがかけられるんです。

ワタシが患者さんから費用を頂いて、ポケットに入れて、闇診療をしていると(笑)

今考えると誰がどう見てもそう思われますよね。

若気の至りです。

 

とまぁ。話はそれまくったわけですが。

そういう開発の歴史がセラミックにはあるわけです。

 

現在セラミックで最も強度が高いのがジルコニアセラミックスです。

 

 

ここまでは強度の話ばかりしてきました。

しかし被せ物や詰め物に求められる性能って強度だけ?

 

1:ぴったりフィットする被せの精度

2:美しさ:審美性

 

特に1は外れる外れないに影響します。しかも隙間からばい菌が入る入らないに影響します。

つまり、長持ちするかどうか。二次的にまた今後その歯が虫歯にかかるかどうかに影響するわけです。

 

強度だけめっちゃ高くて割れないのですが、ゆるゆるの被せで外れやすい。

それでは良い被せ物とは言えませんね。

 

世に現存する歯科材料の中で現状最も高い加工精度を誇るのが金合金です。

理論上製作すると30分の一ミリの加工精度が出せます。

柔軟性もありつつ強度も出せる。

つまり最強なのです。

 

金属アレルギーに関しては本当に不勉強だったり無知だったりする歯科医師が多くいます。

じゃ金合金を使えば金は金属アレルギーを起こしにくいのですべてが大丈夫なんて思っている歯医者さんも、

実際に居るのです。

 

金合金にも種類が沢山あって、パラジウムを含有しない金合金やら、

各メーカーが金属の合金の組成を公表していますので。

きちんと考えながらやれば、最高の材料として使えるのです。

 

結論として、必要な知識と今後の解決法。

今後の歯科治療で悩むことにないようにしていかなければならない。

 

さらにもう一つ大事なことは、今後虫歯を作らないようなお口の環境づくりもしていけばよいと考えます。

 

2021年10月 永瀬

 


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