「先生～、電動歯ブラシって使ったほうが良いんですか？」
↑コレ、しょっちゅう聞かれます。
「下手に用いるなら、手磨きのほうが良いですよ！」
と答えることが多いです。
歯ブラシであっても、電動歯ブラシであっても「歯ブラシの当て方」が大事！
また風呂釜のことを例に挙げます。
風呂釜についた水垢。
スポンジでこすって洗っても。
スポンジが触れていない部分は一部ヌメリ残りますよね。
そういった経験はございませんか？
シャワーかけただけでは、ヌメリは消えませんよね。
歯垢（プラーク）は湯垢と同じで粘りつく汚れなので、ブラシの毛先が触れた部分は汚れがとれますが、
ブラシが触れない部分に残ります。
もし仮に「電動風呂洗いスポンジ」があったとしましょう。
電動スポンジで汚れが良くとれますか？
たとえ電動スポンジであったとしても、触れない部分に汚れは残りますよね。
イギリスのコクラン共同計画。口腔衛生グループという機関があります。
世界中の医学系の論文を収集し、統計学的に処理し、
治療の有効性を評価検証するといったような、医学界では世界的に超有名な機関です。
この機関を知らない歯科医師は自分の勉強を見つめなおしてください。
このコクラン共同計画で、電動歯ブラシの有用性を評価したものがあります。
多くの評価された電動歯ブラシのうち、ほぼ全ての商品が手磨きに勝るものではないと結論づけています。
マニアックな歯科医師には知られていますが、
ブラウン oralBという商品は、実は手磨きに対して、良く歯垢が除去できているというトップ評価をされています。
先端が丸型の回転ヘッドになっています。
なぜBluetoothが！！！！！
しかも高い！！！！！（もうちょっとグレードを落としたお値打ちな商品も存在します。）
以下、客観性に欠く内容なのですが。
個人的な意見として、歯周病で歯周ポケットが出来ている患者様。
ポケットの中の歯垢が磨きにくいのではないでしょうか？
回転ヘッド。
しかし、歯の表面のプラークを効果的に除去すれば、ポケットの中の細菌も減るという、
超有名な論文もありますので。おそらく大丈夫なんでしょう。
私は、ブラウン回転ヘッド。持ってます。（他にも電動歯ブラシも複数所有しています。）
ブラウンはあまり使用していません。（あくまで私の個人的な好みの問題です。）
コクランの評価では、ブラウンOralBに劣るものの、概ね高評価の、
Philips社ソニッケアー。
筧利夫さんがCMをしているので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
音波水流で歯垢除去力７倍？？
んなわけないでしょう。歯科医師がこのコピーを見た時にまず疑いますね（笑）
私、コレも持ってます。（職業柄いろいろと実際に自分でも使います。）
私は、個人的には好みです。
実は歯医者さんで、ユーザーが多かったりもします。
これ、毛先が動いたり、回転したりするわけではないんです。
音波振動します。
音波ブラシと電動ブラシは違います！
メーカーのキャッチコピーはさておき。。
これも毛先が当たっている部分の歯垢はとれます。
しかし、当たっていない部分残ります！！！！！！！
これは、どのような歯ブラシでも電動ブラシでも同じ。
要は毛先の当て方です。
上はエアーフロスの画像。
私は個人的には好みません。
フロスの代わりにジェット水流をあてて、歯と歯の間の汚れを取ろうというものです。
これも個人的な意見ですが、歯の間の食べかすや酸を洗い流す効果はあるかもしれません。
しかし、歯垢まで取れているかといわれると。。。。
食べかすと洗い流すより、歯垢を除去するほうが大事なような。。
ちなみに持ってます。はい。何回も使ってます。
上記以外に安価な商品も沢山出回っています。
一個一個解説していると、キリがないので。。割愛します。（大人の事情でこれ以上書けません）
上記２機種はお値段が高いです！！
価格＝製造に関わる原価＋開発費＋その他 でしょう。
開発費はかかっている商品とそうでない商品があります。
冷静に価値を判断できる能力を身につけましょう。
電動歯ブラシは使い方を歯医者さんで聞いてみましょう！
家電量販店等では、使い方は教えてもらえません。
先述しましたが、毛先の当て方が重要なのです。
ただ使用しているだけで、使い方を間違え、手磨きより歯垢が取れていない場合も少なくありません。
あと。。
電動の歯ブラシを使用する場合は研磨剤が無配合の歯磨き粉を使用してください。
研磨剤無配合の歯磨き剤は、市販のものではなかなかありません。
多くの歯科医院で研磨剤無配合の歯磨き剤が販売されております。
是非、一度お問い合わせください。
「じゃ、先生～、イオンの出る歯ブラシってのはどうなんですか～？」
「風呂洗うときのスポンジがイオンでたほうが良いと思うなら、使うのは自由ですよ～」
「イオンが出る歯ブラシ使ってる同業者の友人は聞いたことないなぁ～。」
